【 Master’s Story vol.4 】僕が知らない妻、僕が知っているあの人



2016.9
突然のお昼寝から目覚めた妻の頭はだいぶ混乱しているように見えた。
伝えてくる話の意味がよくわからない。



じゃがいものような建物、学びのスペース、大勢の・・・
一つ一つの話のピースを繋ぎ合わせるのに必死だ。



僕は彼女が指し示す建物がないか、得意のネット検索。



すると、ある画像を見た彼女がまさにこれ!
これなんだけどちょっと様子が違う…自分が見た映像ではもっと新しかったと眉間にシワを寄せている。



その画像はルドルフシュタイナーの建造物だった。
もちろん彼女はこれまでに見たことも聞いたこともないと。



なぜそんな映像が鮮明にでてきたのか
このときの僕らはまだ認識が追いつかず



これがのちに判明してゆく宇宙プロジェクトの始まりだとは
知る由もなかった。











2007.6.21 
いつもの場所でキャッチセールスをする予定が
この日はなぜか別のはじめて行く場所。



駅と駅をつなぐ中継地点で
人通りは多くみんな足早だ。



いつもどおりキャッチセールスをはじめた僕は
スーツを着たひとりの女性が急ぎ足でどこかへ向かっているのが目についた。



胸騒ぎがし突然奥の声が言う
あの人だ…!



いつもなら急いでいる人には声はかけない。



が、このときはなぜか意識が彼女を追う。



呼び止めた彼女が振り向いた。







あれ?

この人すごくなつかしい
どこかで出逢った?







黒い天使の物語が動きだした瞬間だった。